畑に行くと、暑さにぐったりしている植物がある一方で、
「え、まだそんなに元気なの?」
と思うほど、猛暑の中で生き生きしている植物があります。
私の畑では、ローゼル、綿、バタフライピー、落花生など、少し変わった植物も育てています。
どれも、スーパーで買う野菜とはちょっと違うもの。
でも、こういう植物が畑にあると、なんだか楽しいのです。
そして最近、私は「多様性」という言葉が気になるようになりました。
普通の野菜も育てています。草畝でかぼちゃを育てた話はこちら。
「いろいろある畑」が好き
私が目指しているのは、野菜だけがきれいに並んだ畑ではありません。
もちろん、収穫できるものはたくさんあったほうがうれしい。
でも、それだけではなくて、
花が咲いていて、
違う形の葉っぱがあって、
虫が飛んできて、
土の中では微生物が働いている。
そんな、いろいろなものが存在する畑にしたいと思っています。
だから、ついつい「これ、育ててみたい」と思った植物を植えてしまう。
結果として、少し変わった畑になっています。
でも、最近は、それも悪くないなと思うようになりました。
猛暑でも元気な4つの植物
今年の夏、特に元気なのがこの4つです。
ローゼル
ハイビスカスの仲間で、秋になると赤い実のような部分ができます。
ハーブティーなどに利用される植物ですが、何より育っていく姿を見るのが楽しい。

暑さの中でもどんどん成長しています。
秋になったら、どんな姿になるのか楽しみです。
綿
綿も、私にとってはちょっと不思議な植物です。
花が咲き、その後に実ができて、やがてふわっとした綿が出てきます。
普段、衣類として当たり前に使っている「綿」が、畑では植物として育っている。
その当たり前を、実際に目で見られるのが面白いのです。
そして、これも夏の暑さに負けず元気です。

バタフライピー
鮮やかな青い花を咲かせるバタフライピー。
つるを伸ばしながら、次々と花をつけています。
花をお茶にすることもできますが、私はこの青い花が畑にあるだけで、ちょっと嬉しくなります。
畑に「食べるため」以外の植物があるのも、いいものです。

落花生
落花生も、地味だけれど面白い植物。

花が咲いたあと、その先端から「子房柄」と呼ばれるものが伸びて土の中に入り、そこで実ができます。
地上で花が咲いて、地下で実ができる。
知っているようで知らない植物の世界を、実際に育ててみると見ることができます。
どうして、いろんな植物を植えるのか
「そんなにいろいろ植えて、何を作りたいの?」
と聞かれたら、今の私は、
「多様な畑にしたいから」
と答えると思います。
以前は、畑というと「野菜を育てて収穫する場所」というイメージでした。
でも、自然農に取り組むようになって、少しずつ見方が変わってきました。
畑は、野菜だけが生きている場所ではありません。
植物があり、虫がいて、草が生え、土の中には目に見えない微生物がいる。
それぞれが関わりながら、一つの環境をつくっています。
そう考えると、
「虫がいる=悪い」
「草がある=邪魔」
「菌がいる=避けるもの」
と簡単には言えなくなってきます。
もちろん、作物を守るために困ることもあります。
でも、全部を排除するのではなく、
どうしたら、いろいろな生きものが共存できる畑になるんだろう?
と考えるようになりました。
「多様性」は、腸の中にもある
実は、これは畑だけの話ではありません。
以前から私は、腸内環境や腸内細菌にも興味がありました。
腸の中にも、たくさんの種類の微生物が暮らしています。
「腸内環境を整える」というと、特定の善玉菌を増やすことばかり考えがちですが、腸内細菌も一つの生態系として見ると、多様な微生物が共存していることが大切だと考えられています。
そう考えると、なんだか畑と似ています。
人間の体の中にも、小さな生態系がある。
土の中にも、小さな生態系がある。
そして畑全体も、一つの生態系です。
虫対策も「退治する」だけではなくて
畑の虫問題も、最近は少し違う角度から見るようになりました。
もちろん、野菜を食べられすぎると困ります。
でも、
「この虫をどうやって退治する?」
だけではなく、
「そもそも、虫が一種類だけ増えすぎない環境ってどんなものなんだろう?」
と考えてみる。
植物の種類が増えれば、畑にやってくる生きものも変わります。
花があれば、花を利用する虫もやってきます。
草があれば、そこを住みかにする生きものもいる。
土の中には、さらに目に見えない微生物の世界があります。
もちろん、「植物をたくさん植えれば害虫がいなくなる」という単純な話ではありません。
でも、畑を一つの生態系として考えると、虫対策も少し違って見えてきます。
草に対する見方が変わってきた話はこちらに書きました。
協生農法にも、少し興味が出てきた
そんなことを考えているうちに、「協生農法」という考え方にも興味を持つようになりました。
まだ私自身が十分に理解しているわけではありません。
でも、
一種類の作物だけを効率よく育てるのではなく、多様な植物が共存する環境をつくる。
という考え方には、今の私が畑で感じていることと重なる部分があります。
私はまだまだ実験中。
「これが正解」というものがあるわけではありません。
だからこそ、いろいろ植えてみる。
失敗したら、なぜ失敗したのか考えてみる。
うまくいったら、また来年試してみる。
そんなことを繰り返しています。
キエーロも、実は同じなのかもしれない
考えてみると、私が取り組んできた「キエーロ」も、同じ方向を向いている気がします。
キエーロでは、生ごみを土の中に入れて、微生物に分解してもらいます。
「生ごみを消す」というより、
生ごみを、土の中の生態系に戻していく。
そんな感覚です。
そして自然農では、草を刈って終わりではなく、その草を畝に利用する。
土の中の微生物の働きを借りる。
こうして考えると、
キエーロも、
自然農も、
腸内環境も、
畑の多様性も、
私の中では少しずつ一つにつながってきました。
キエーロの中の環境を整えることについてはこちらの記事をどうぞ。
いろんなものがいるほうが、自然は面白い
最近、私は「完璧にコントロールする」ことよりも、
いろんなものが共存できる環境をつくること
のほうに興味があります。
もちろん、畑では失敗もします。
暑さで枯れることもあるし、虫に食べられることもある。
今年のような猛暑では、せっかく作った畝が水没してしまうことだってありました。
それでも、畑に行くと、
「今日はこれが伸びてる!」
「こんな虫が来てる!」
「この植物、暑いのに元気だな」
と発見があります。
それが楽しい。
ローゼルも、綿も、バタフライピーも、落花生も。
収穫だけを目的にすれば、もっと効率のいい植物があるかもしれません。
でも、畑にいろんな植物があることで、私自身が畑を見る目も変わってきました。
多様性のある暮らしへ
考えてみれば、私がやりたいことは、畑だけではないのかもしれません。
食べるものも、
使うものも、
暮らし方も、
一つの正解だけに決めつけない。
自然の中にあるものを観察して、
「これって何だろう?」
と興味を持ってみる。
そして、少し試してみる。
うまくいかなければ、また考える。
そんなふうに、暮らしの中にも「多様性」を取り入れていきたい。
いろんなものがいるから、自然は面白い。
そして、もしかすると、
いろんなものがいるからこそ、自然はしなやかで強いのかもしれない。
まだ、私自身も実験の途中です。
この畑で、これからどんな生きものや植物に出会えるのか。
それを楽しみながら、もう少し「多様な畑」を育ててみようと思います。



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