コンポスト“あるある”の虫問題。キエーロの場合、実際どうなの?

古い箱をリサイクルしたキエーロ キエーロ
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生ごみを土の中の微生物に分解してもらう「キエーロ」。

生ごみを減らせるのはとても魅力的ですが、コンポストを始めるとき、多くの人が気になることがあります。

それは……

「虫、出ないの?」

ですよね。

実は私も、虫がとても苦手です。

以前、据え置き型のコンポストで虫が大発生した経験があり、それ以来、コンポストから遠ざかっていました。

それでもキエーロを始めたのは、一般的なコンポストに比べて、においや虫が発生しにくいと聞いたから。

キエーロにたどり着いたいきさつはこちらの記事に書きました。

2022年5月にキエーロを使い始め、夏を越し、冬を迎えるまで使ってみました。

基本的には、キエーロには大満足しています。特に便利だと思う使い方はこちら。

その後も、いろいろな人のキエーロの使い方や、虫が発生したケースを見たり聞いたりしてきました。

その経験から、今ならこう言えます。

キエーロでも虫が出ることはあります。

でも、虫が出ること自体よりも、

「なぜ虫が出るような状態になったのか」

を見ることのほうが大切なのだと思います。

キエーロにも虫は出ます

まず、正直に。

キエーロだから虫が絶対に出ない、ということはありません。

私自身、何度か虫を見つけています。

ただ、半年間使ってみて、虫に悩まされるようなことはほとんどありませんでした。

そして、他の人の事例もいろいろ見ていると、虫が出やすいケースには、ある程度共通するところがあるように感じます。

私がこれまで見てきた中で、特に大きいと思うのが、

「水分が多すぎる」
「混ぜ不足」
「生ごみの入れすぎ」

この3つです。

これは、私自身の経験と、周りの人のキエーロを見てきた中で感じていること。

すべてのケースに当てはまるわけではありませんが、虫を増やさないための大きなヒントになると思っています。

虫を防ぐには、「虫」より「分解」を見る

ここが、キエーロを使ううえで私が大切だと思うようになったことです。

虫が出たとき、

「どうやって虫を退治しよう?」

と考えがちですよね。

でも、キエーロの場合は、その前に、

「生ごみの分解は、ちゃんと進んでいるかな?」

と考えてみる。

生ごみがうまく分解されずに残っている状態なら、そこには何か原因があるはずです。

キエーロの中で微生物が働き、生ごみの分解が進むためには、

適度な水分・空気・温度

が必要です。

水分が多すぎてもよくない。

乾きすぎてもよくない。

空気が不足してもよくない。

そして、気温が低くなれば分解のスピードも落ちます。

つまり、

「生ごみを土に入れれば勝手に消える」

というより、

「微生物が働きやすい環境をつくることで、分解が進む」

ということなんですね。

そう考えると、虫が出たときにも、

「虫をどうにかしなくちゃ!」

ではなく、

「キエーロの中の環境はどうなっているんだろう?」

と考えられるようになります。

虫が出やすいと感じる3つの要因

① 水分が多すぎる

これまで見てきた中で、かなり多いと感じるのが「水分過多」です。

生ごみ自体にも水分は含まれています。

そこへさらに水をたくさん加えると、キエーロの中がジメジメした状態になってしまいます。

実際に、底から水が出るくらい水を入れていた人がいました。

水分を控えてもらったところ、虫は出なくなりました。

キエーロでは、

「水をたくさん入れれば分解が進む」わけではありません。

微生物が働きやすい、ほどよい水分量を保つことが大切です。

② 混ぜ不足

生ごみを入れて、そのまま土をかぶせる。

これだけでは、分解がうまく進まないことがあります。

特に、生ごみが大きな塊のままだと、土と十分に接触できません。

生ごみをできるだけ小さくして、周りの土とよく混ぜる。

私は今では、

「生ごみを埋める」というより、「生ごみを土の中に混ぜ込む」

という感覚で使っています。

③ 生ごみの入れすぎ

これも大切です。

一度に大量の生ごみを入れると、微生物が分解するスピードが追いつかなくなることがあります。

特に、気温が高い時期は、

「暑いから、どんどん分解するだろう」

と思ってしまいがち。

でも、いくら微生物が働いてくれるとはいえ、一度に処理できる量には限界があります。

分解できる量を超えて入れない。

これも、キエーロをうまく使うための大切なポイントです。

適度な「水分・空気・温度」が分解を助ける

こうして考えていくと、キエーロの中で起きていることが少し見えてきます。

生ごみを入れる。

↓

土と混ぜる。

↓

微生物が働く。

↓

生ごみが分解される。

この流れを助けるのが、

適度な水分・空気・温度です。

この3つは、どれか一つだけ整えればいいというものではありません。

バランスが大切。

たとえば、水分が多すぎれば空気の通り道が少なくなります。

逆に乾きすぎれば、微生物が働きにくくなります。

そして、気温が低くなる冬には、夏と同じ量の生ごみを入れても、分解のスピードは違ってきます。

キエーロを使っていると、

「今、土の中の微生物が働きやすい状態かな?」

と考えることが、だんだん面白くなってきます。

わが家のキエーロ① 初めて虫を見つけた

私がキエーロを始めたのは、2022年5月のはじめです。

暖かい季節だったこともあり、分解は最初から順調でした。

数か月の間、虫を見かけることもありませんでした。

ところが、7月半ば。

土の表面で、何かが動いたような気がしました。

よく見ると……

5mmほどの虫が、もぞもぞしています。

さらによく見ると、ほかの場所にもいました。

土の表面に、全部で20匹くらい。

「あー、やっぱりキエーロでも出るのね」

と思いました。

ただ、固まってうじゃうじゃ、という状態ではありませんでした。

そこで当時の私は、表面に熱湯をかけ、その上から新しい乾いた土をかぶせました。

数日後、恐る恐る見てみると、虫はほとんどいなくなっていました。

ちなみに……

今なら熱湯はかけません。

虫も生ごみの分解に関わる生きものかもしれないこと、そして、土をかぶせてそっとしておけば、そのうちいなくなることがわかってきたからです。

では、なぜ虫が出たのか?

当時のことを振り返ってみると、思い当たることがあります。

その頃は、生ごみの量が少し多くなっていて、土の表面近くに生ごみが残っていることがありました。

また、卵の殻も入れていました。

卵の殻は分解に時間がかかるので、細かく砕いたものが土の中にいつまでも残っている状態でした。

これが虫を呼んだ原因だったのかどうかは、今でもわかりません。

ただ、その後は卵の殻を入れるのをやめました。

そして10月頃、もう一度、表面に虫が出たことがあります。

このときは、土のかぶせ方が甘かったのではないかと思っています。

同じように対処すると、やはりすぐにいなくなりました。

わが家のキエーロ② 土の中にも小さな虫が

冬になって、今度は土の中に小さな虫を見つけました。

3mmほどの、糸のような幼虫です。

表面にはいません。

土を掘ったときに、土の中で動いているのが見えるだけでした。

当時は何の虫なのかよくわかりませんでした。

でも、今振り返ってみると、思い当たることがあります。

その頃、良かれと思って米ぬかを土全体に混ぜ込んでいたのです。

もしかすると、それが虫を呼ぶ原因のひとつになったのかもしれません。

今では、米ぬかを使う場合は土全体に混ぜ込むのではなく、生ごみを入れる場所に、その都度少量を加えるようにしています。

これも、実際に使ってみてわかってきたことです。

当時はよくわからなかったことも、使い続けていると、

「これはやりすぎだったのかも」

「こうしたほうが分解がうまくいくな」

ということが少しずつ見えてきます。

他の人のキエーロを見てわかったこと

私の周りにも、キエーロを使っている人が何人かいます。

その人たちに聞いてみると、「虫が嫌でキエーロをやめた」という人はいませんでした。

でも、虫が出たケースには、それぞれ思い当たることがありました。

生ごみを大きなまま入れていた

ある人は、生ごみを大きなまま入れて、そのまま土をかぶせていました。

土を掘ると、うじ虫がいることがある。

そこで、生ごみを小さくし、土とよく混ぜ、その上から乾いた土をしっかりかぶせるようにしてもらいました。

油を一か所に大量に入れていた

別の人は、ハンバーグを焼いた後の油を、一か所に大量に入れていました。

その部分に虫が出たそうです。

油が多く入れば、その部分の土の状態も変わります。

「一度に一か所へ大量に入れない」ということの大切さを感じた例でした。

水分が多すぎた

また別の人は、底から水が出るほど水を入れていました。

これも水分を控えてもらったところ、虫が出なくなりました。

こうした事例をいくつも見ているうちに、

「虫が出たら虫を退治する」のではなく、「なぜ虫が出る状態になったのかを見る」

ことが大切なのだと思うようになりました。

虫が出たら、まずキエーロの状態をチェック

もしキエーロで虫を見つけたら、私はまず次のことを確認します。

水分は多すぎない?

生ごみを入れすぎていない?

土とちゃんと混ぜている?

生ごみが土の表面に出ていない?

分解されずに残っている生ごみがない?

そして、必要ならしばらく生ごみを入れる量を減らしたり、乾いた土を足したりします。

虫だけを見ていると、「うわ、失敗した!」となってしまいます。

でも、キエーロ全体を見てみると、

「ちょっと水分が多かったかな」

「最近、入れすぎていたな」

「混ぜ方が足りなかったかも」

と、原因が見えてくることがあります。

「虫が出た=失敗」ではない

キエーロを使っていて、私が一番変わったと思うのは、虫に対する見方です。

以前は、

虫が出る=失敗

だと思っていました。

でも今は、そうは思いません。

キエーロは、土の中の微生物をはじめ、さまざまな小さな生きものの働きを借りて、生ごみを分解していくもの。

だから、そこに生きものがいること自体は、そんなに不思議なことではありません。

もちろん、虫が大量に発生したら困ります。

私だって、今でも「うわっ!」となると思います(笑)。

でも、

虫をゼロにすることより、微生物が働きやすい環境をつくること。

そのほうが、キエーロとの付き合い方としては大切なのではないかと思っています。

まとめ。虫対策は「虫を退治する」より「分解を助ける」

キエーロを使い始めてから、そして他の人のキエーロも見てきて、私が感じていること。

それは、

虫を出さないためには、虫そのものをどうにかするより、生ごみがスムーズに分解される環境をつくることが大切

ということです。

私が特に気をつけたいと思っているのは、

  • 水分が多すぎないこと
  • 生ごみと土をよく混ぜること
  • 一度に生ごみを入れすぎないこと
  • 生ごみをできるだけ小さくすること
  • 生ごみが表面に出ないよう、乾いた土をかぶせること

そして、その土台にあるのが、

適度な水分・空気・温度。

このバランスが整えば、土の中の微生物が働きやすくなり、生ごみの分解も進みやすくなります。

もちろん、キエーロでも虫が出ることはあります。

「虫は絶対に出ません」とは言えません。

だから、虫が一匹でも無理!という方には、正直、向かないかもしれません。

でも、

「多少の虫はいても、生ごみを土に戻していきたい」

と思える人なら、キエーロはかなり面白い選択肢だと思います。

私自身、キエーロを始めたことで、「微生物」や「土の中の小さな生きもの」に興味を持つようになりました。

生ごみを捨てるのではなく、土に戻す。

その過程を見ていると、

「土って、ただの土じゃないんだな」

と感じます。

そこには、目には見えないたくさんの生命がいて、私たちが捨てていたものを、また別の形へと変えてくれている。

キエーロは、生ごみ処理の道具であると同時に、そんな小さな世界を身近に感じさせてくれるものなのかもしれません。


5回にわたってキエーロについて書いてきました

ここまで、キエーロについて5回にわたって書いてきました。

「キエーロって何?」

「どうやって使うの?」

「実際に使ってみてどうだった?」

「どうやって手に入れるの?」

そして最後は、

「虫はどうなの?」

という、始める前に気になることについて。

キエーロを使い始めたことで、私は「生ごみを減らす」ということだけではなく、土や微生物、そして私たちの暮らしと自然とのつながりについて、少しずつ考えるようになりました。

次回からは、キエーロをいったん離れて、もう少し広いテーマについて書いてみたいと思います。

キーワードは、「微生物」。

目には見えないけれど、私たちの暮らしのすぐそばで働いている、小さな生命の世界です。

キエーロから始まった「微生物への興味」が、この先どんなところにつながっていくのか。

これから少しずつ書いていきたいと思います。

▶キエーロについての記事をまとめています

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