野菜が採れないなら、草を食べたらいいじゃない?

自然農・菌ちゃん農法

自然農を始めて2年目だった昨年。


私の畑は、まだ「畑」と呼ぶにはちょっと心もとない状態でした。

自然農は、「耕さない」「肥料を使わない」「雑草を敵としない」という考え方で、

機械もなければ、予算も人手もない私にはぴったりのやり方です。

しかも、自然の循環の中で野菜を育ててみるというのは、とても面白く、

楽しい冒険のようなものです。

しかし、

問題は、

野菜を植えても、すぐには思うように育たない、ということ。

自然農では、一般的に、土ができるまでには数年を要すると言われています。

 収穫できるものも、まだ少ない。

それは、わかっているからいいんですけどね。

それでも、収穫の喜びを味わいたいではありませんか。

ということで、こう思いました。

野菜が採れないなら、草を食べたらいいんじゃない?

畑には、食べられる草が生えている

そう思って見てみると、畑には以前から気になっていた草がありました。

ヨモギです。

自然農の畑に生えてる青々としたヨモギ
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春になると、柔らかそうな新芽があちこちに出てきます。

ヨモギといえば、草餅。

食べられることは知っています。

でも、畑に生えているヨモギを、わざわざ自分で採って食べるという発想は、これまであまりありませんでした。

そして、もうひとつ。

カラスノエンドウ。

畑でよく見かけるカラスノエンドウ

これも、畑ではよく見かける草です。

どんどん伸びて、他の植物に絡みつくので、畑仕事をしていると「また出てきたな」と思う存在。

でも、調べてみると、若い葉や先端などを食べることができるらしい。

だったら。

食べてみよう。

ヨモギとカラスノエンドウを天ぷらに

採ってきたヨモギとカラスノエンドウ。

今回は、天ぷらにしてみることにしました。

洗って、水気をよく切って、衣をつけて揚げる。

ただそれだけ。

なんだか、ちょっと不思議な気分です。

いつもなら、

「これは抜いたほうがいい草」

として見ていたものが、今は天ぷらの材料になっている。

同じ植物なのに、見え方がまったく違います。

そして、食べてみると――

これが、意外とおいしい。

ヨモギには、あの独特の香りがあります。

春の草らしい、少し青くて、ほろ苦い香り。

カラスノエンドウは、もっとクセがない。

柔らかな葉っぱがふんわりとして、おいしい。

「これ、普通に食べられるじゃない」

と思いました。

「雑草」だったものが、食べものになる

面白いのは、味だけではありません。

食べてみると、その草を見る目が変わります。

それまで、

「畑に生えている草」

だったものが、

「食べられる植物」

になる。

もちろん、何でも食べればいいという話ではありません。

植物には、よく似た種類もあります。

食べられるかどうかわからないものを、見た目だけで判断するのは危険です。

だから、まず名前を調べる。

特徴を知る。

食べられる部分や時期を確認する。

そのうえで、自分が確かだと思えるものだけを少し食べてみる。

そうやって一つずつ知っていく。

それだけでも、畑の見え方がずいぶん変わってきます。

雑草と野菜の違いは?

野菜を育てているつもりだったけれど

自然農を始めて、私は「野菜を育てる」ことばかり考えていたのかもしれません。

種をまいて。

育てて。

収穫する。

でも、実際の畑では、野菜だけが育っているわけではありません。

知らない草も生えてくる。

虫もいる。

土の中には、目に見えないたくさんの微生物がいる。

野菜がうまく育たないと、

「失敗した」

と思ってしまいます。

でも、少し視点を変えてみると、

「野菜は採れなかったけれど、ここにはこんな草が生えている」

とも言える。

この場所の環境に合った草たちが自然に育っている。

これを食べるというのは、この場所にすでにあるものをいただく、いちばんシンプルな方法なのかもしれません。

今回、ヨモギとカラスノエンドウを食べてみて、そんなことを思いました。

畑にあるものを、もう一度見てみる

野菜が採れない。

それなら、草を食べてみる。

もちろん、これは冗談半分の話です。

でも、案外大事なことかもしれません。

私たちは「野菜」という名前がついたものを食べることには慣れているけれど、

その周りに生えている植物については、あまり知らない。

「雑草」と呼んで、ひとまとめにしてしまう。

でも、一つ一つ見てみると、名前がある。

食べられるものもある。

薬草として使われてきたものもある。

人や動物に利用されてきたものもある。

ただ、そこに生えているだけに見えた草にも、それぞれの世界があります。

だから今度、畑に行ったら、

「野菜はどれかな?」

だけではなく、

「食べられるものは、ほかに何があるかな?」

と、少し違う目で見てみようと思います。

野菜が採れない畑も、案外おもしろい。

そんなことを、ヨモギとカラスノエンドウの天ぷらが教えてくれました。

あれから一年

今の畑は、少しずつ畑らしくなってきました。

畝が増えて、雑草に覆われている面積も減っています。

それでも、草は相変わらず元気です。

この畑の環境に合った草たちが、たくましく生きています。

そして、いつか私が育てる野菜たちも、この畑の生態系の一部になって、手をかけすぎなくてもすくすく育つ。

そんな畑になったらいいなと思っています。

野菜も、草も、虫も、土の中の微生物も。

みんなが同じ場所で、それぞれの役割を持って生きている。

そんな畑を少しずつ作っていくことが、私の自然農なのかもしれません。

植物と微生物は”分かち合い”をしている話。

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