今年の夏も、本当に暑い夏でした。
畑では、暑さに負けて元気をなくす野菜もある中で、そんなことはお構いなしというように、ぐんぐんつるを伸ばしていた植物があります。
なた豆です。
白い花を咲かせ、そのあとにできたのは、びっくりするほど大きなさや。
そして先日、そのなた豆を収穫して、初めて福神漬を作ってみました。
白い花から、大きな「鉈」ができた
なた豆の花は白く、思いのほか可憐です。

つるを伸ばしながら花を咲かせ、そのあと小さなさやができて、だんだん大きくなっていきました。
そして収穫できるころには、かなり立派な大きさに。
「なた豆」は漢字で書くと「鉈豆」。
大きなさやの形が、刃物の「鉈(なた)」に似ていることから、この名前がついたとされています。
実際に手に持って眺めてみると、なるほど。
少し反った大きなさやは、たしかに鉈のようにも見えます。
英語でも sword bean と呼ばれるそうです。こちらは「剣の豆」。
どこから見ても、刃物を連想させる豆なのですね。
猛暑の畑でも元気だった
今年育ててみて印象に残ったのは、なた豆の丈夫さです。
暑い時期にもよくつるを伸ばし、花を咲かせ、しっかり実をつけてくれました。
私は肥料や農薬を使わずに畑をやっています。
そんな畑でも、なた豆は比較的手がかからず、元気に育ってくれました。
マメ科の植物なので、根には根粒菌が共生します。根粒菌は空気中の窒素を植物が利用できる形に変える働きをしています。
暑さに強く、育てやすく、実も利用できる。
猛暑が当たり前のようになってきたこれからの畑で、ちょっと気になる存在になりました。
なた豆といえば、福神漬
さて、収穫したなた豆をどうやって食べよう。
調べてみると、身近なところで昔から使われていたものがありました。
福神漬です。
「そうか、福神漬の中に、なた豆が入っていたのか」
恥ずかしながら、自分で育てるまで、ほとんど意識したことがありませんでした。
福神漬には大根やなすなどと一緒に、なた豆が使われることがあります。
そこで今回は、畑で採れたなた豆を、大根やなすなどと一緒に漬けてみることにしました。

作り方は簡単です。
切った野菜に3%ほどの塩を振って2、3時間おき、
その後、ぎゅっと絞って水けを出したら、調味液にいれてひと煮立ち。
これで出来上がり。
出来上がった福神漬は、赤くなかった
そして出来上がったのが、こちら。

いつも見慣れている福神漬とは、ちょっと違います。
赤くない。
考えてみれば当然で、赤い福神漬は着色されたものです。福神漬そのものが赤いわけではありません。
醤油などで漬けたわが家の福神漬は、茶色っぽい自然な色になりました。
なた豆もちゃんと形が残っています。
食べてみると、ポリポリとした食感。
ん~!美味しい。今夜はカレーだな。
ほかにも食べ方はあるけれど
なた豆は福神漬だけでなく、若いさやを漬物などに利用したり、なた豆茶に加工したりすることもあります。
ただし、なた豆にはいくつかの種類があり、成熟した豆にはそのまま食べるのに適さない成分を含むものもあります。
品種や食べる時期、調理法が分からないものを自己流で食べるのは避けた方がよさそうです。
今回のように、食用として育てたなた豆の若いさやを福神漬にするのは、昔からある利用方法のひとつです。
育ててみると、食べものの正体が見えてくる
これまで、福神漬は福神漬でした。
その中に何が入っているのか、一つひとつ考えることなんてありませんでした。
でも今年は、畑で白い花を見て、小さなさやができるところを見て、それが大きな「鉈」になり、収穫して、料理して、福神漬になりました。
食べものを育ててみると、今までひとまとめに見えていた料理の向こう側が見えてきます。
「これ、こんな植物だったんだ」
そんな発見があるのも、畑をやっている面白さです。
猛暑の中でも元気いっぱいだったなた豆。
来年も育ててみたい植物が、また一つ増えました。
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