キエーロについて話すと、よく聞かれることがあります。
「生ごみを入れるんですよね? 臭くならないんですか?」
たしかに、そう思いますよね。
生ごみといえば、夏場の三角コーナーやごみ袋から漂ってくる、あの嫌な臭いを思い浮かべます。
そんな生ごみを、土の中に埋めていく。
しかもキエーロは、野菜くずだけではありません。魚の骨や肉の骨、食べ残し、汁気のあるもの、廃油なども入れられます。実際のモニターでも、かなり幅広い種類の生ごみが入れられていました。
では、本当に臭わないのでしょうか。
福岡市臨海3Rステーションで行ったキエーロモニターの結果から、「臭い」について見てみます。
2024年度、臭いが「とても気になる」人は0人
まず、2024年度のモニターです。
8月と11月に、「臭いは気になるか」というアンケートを行いました。
8月は15人中、
- とても気になる 0人
- 少し気になる 0人
- ほとんど気にならない 5人
- 全く気にならない 9人
- ふたを開けた時に臭いがする程度 1人
という結果でした。
つまり、「少し気になる」以上の回答はゼロです。
11月は14人の回答で、
- とても気になる 0人
- 少し気になる 1人
- ほとんど気にならない 3人
- 全く気にならない 10人
でした。
季節が変わっても、「とても気になる」という人はいませんでした。
これは、かなりはっきりした結果だと思います。
2025年度も、やっぱり臭いは気にならない
では、翌年のモニターではどうだったのでしょうか。
2025年度も同じ質問をしています。
8月は15人中、
「ほとんど気にならない」7人
「全く気にならない」6人
でした。
「少し気になる」は2人、「とても気になる」は0人です。
11月になると、
「ほとんど気にならない」10人
「全く気にならない」4人
「少し気になる」は1人、「とても気になる」は0人でした。
2024年度、2025年度。
モニターは別の人たちです。
それでも、結果はよく似ています。
「とても臭いが気になる」という人は、2年間を通して一人もいませんでした。
「生ごみを入れているのに、なぜ?」
ここが、キエーロの面白いところです。
キエーロに入れられていたのは、きれいな野菜くずだけではありません。
魚の骨や肉の骨、食べ残し、腐って食べられなくなったもの、汁気のあるもの、排水口に残ったごみ、廃油など。
2024年度のモニターでも、かなり多様な生ごみが入っています。
それでも、臭いが大きな問題にならなかった。
なぜでしょう。
キエーロでは、生ごみを土の中に埋め、土の中にいる微生物に分解してもらいます。
生ごみをどこかに「置いておく」のではなく、土の中で分解が進んでいく。
だから、生ごみが長時間むき出しになっている状態とは違います。
もちろん、何をしても臭わない魔法の箱、というわけではありません。
「臭わない」には、使い方も関係している
モニターの回答を見ていると、参加者それぞれが使いながら工夫していることも分かります。
例えば、
- 生ごみを細かくする
- 生ごみを入れたあと、土を多めにかぶせる
- 表面を乾いた土で覆う
- よくかき混ぜる
- 水分を調整する
- 分解能力に合わせて、生ごみの量や種類を加減する
といった方法です。
つまり、「キエーロは臭わない」というより、
微生物が生ごみを分解しやすい状態をつくってあげると、臭いが問題になりにくい
と考えた方が実際に近いのかもしれません。
印象に残った、モニター終了後のひと言
約1年間使ったあとのアンケートには、こんな感想がありました。
「臭いや大量の虫など事前の不安は見事にはずれて、毎回毎回キレイに食べてくれて感動していました。」
「臭いや大量の虫」。
やっぱり、使う前にはそこが不安だったのですね。
でも、実際に使ってみると、その不安は大きく外れた。
そして、生ごみが「キレイに食べられていく」ことに感動した。
この感覚は、キエーロを使ったことのある人なら、なんとなく分かるのではないでしょうか。
「臭わない」ことは、かなり大きなメリット
生ごみ処理は、環境に良いかどうかだけでは続きません。
毎日の暮らしの中で使うものだからです。
臭いがする。
虫がたくさん出る。
面倒くさい。
そうなれば、どんなに環境に良い方法でも、続けるのは難しくなります。
だからこそ、今回のモニターで「臭いが気にならない」という結果が出たことには、大きな意味があると思います。
実際、2024年度のモニター終了後のアンケートでは、14人全員が「周りの人にすすめたい」と回答しています。
2025年度も、「これからも使う」が14人、「検討中」が1人でした。
臭わない。
そして、生ごみが減る。
しかも、土を増やさずに使い続けられる。
こうして実際の使用結果を一つずつ見ていくと、キエーロが「続けやすいコンポスト」と言われる理由が少しずつ見えてきます。
生ごみは、本当に「ごみ」なのだろうか
キエーロを使っていると、少し不思議な気持ちになります。
昨日まで台所で「ごみ」として扱っていたものを、土の中に入れる。
しばらくすると、それが見えなくなっていく。
臭いも残らない。
そこには、私たちの目には見えない微生物の働きがあります。
私たちが「ごみ」と呼んでいるものも、微生物から見れば、食べものなのかもしれません。
そう考えると、キエーロは単なる生ごみ処理の道具ではなく、
「ごみ」と呼んでいたものが、別の生きものにとっては資源になる
ということを、毎日の暮らしの中で体験させてくれるものなのだと思います。
関連記事:・福岡で行ったキエーロモニターの概要



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